以上の暗躍を以って、アサシンの冠位は戴冠される。
其は、人間の原罪。
静謐なる刃と、世界の縁へ通ずる沈黙。
その名は旅路の終端に立つ影。
生を知り、死を知り、宿命を食らう老人。
彼が歩む先に残るのは足跡ではない。逃れられぬ厳罰の予告である。
翁は声高に語らぬ。だがその所作は、人の運命を一瞬で断ち、やがて語るべき記憶さえ消し去る。
その名は匿名性の極致、行為は都市の深淵を曝け出す尖鋭。
霧深き路地に刻まれた無名の悲鳴は、やがて伝説となり、恐怖の概念を鍛える鋼となった。
その所業に宿るのは乱暴な快楽ではない。社会の許容の限界と、人々が互いに隠してきた嘘である。
グランドアサシン。
それは人間の深淵そのもの。
忌避され、忘却され、未来の世界を塗り替える。
冠位を許された罪が、真にその責務を果たすとき。
人類はようやく、ただ在ることを超え、
進むことを証明する。
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