インドラはインド神話における雷と戦いの神。
神々の王として崇められ、悪しき蛇・ヴリトラを雷の槍で打ち倒し、
世界に雨と恵みをもたらした英雄中の英雄――
ああ、なんて偉大なお方でしょう！
……おや？
この神、ソーマ酒が大好きすぎる。
何杯飲んでも止まらず、酔って暴れては神界で大騒動。
ついには神々の前で寝っ転がって「ワシが王じゃ〜！」と叫ぶ始末。
さらに女性にも目がない。
天女アプサラスたちはもちろん、うっかり聖仙の奥さんにまで手を出してしまい、
怒った聖仙に呪われて全身に女■器が生える罰を受けたという、笑えない伝説まで……
（※後に神々の手で「牛の目」に変えてもらったらしい）
戦に敗れそうになるとそっと逃げるのも得意技。
そのたびにヴィシュヌ神が後始末をするという、おなじみの黄金パターン。
神々の王とは一体……？
とはいえ、インドラの残した「インドラの網」は、仏教思想にまで影響を与える哲学的イメージ。
宇宙全体を映す宝珠の網は、今もなお壮大な象徴として語り継がれている。
ああ、インドラ様！
強くて偉大で、でもどこかダメで人間臭い――
まさに神話界の“完璧じゃないからこそ愛される”存在なのだ。
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